【長編】FOUR SEASONS
「優華…凄くドキドキしてる。」

後から抱きしめたまま、そっと耳元で囁くと、魚が跳ねるようにピクンと反応して顔を見られないようにシーツに埋めようとする。

そんな仕草が可愛くて、もっとからかいたくなってしまう。

引き寄せて身体を反転させ組み敷くと、乱れた長い髪がシーツの上に大きく広がった。

あの時間の前の長さにはまだ足りないが、それでも随分と長くなった。

茶色い柔らかな髪が、うねるように流れを作り、真っ白なシーツに広がる様が、恥ずかしそうに視線を外す優華の白い肌を際立たせて、俺の視線を釘付けにした。

< 290 / 323 >

この作品をシェア

pagetop