【長編】FOUR SEASONS

「いえ…。違うんです。あたし、昨日沖崎先輩から声をかけられたんです。何か用事があったんだと思うんですけど。でも、あたし驚いて用件も聞かずに逃げてしまったので･･･。今日はその件で謝りに行っただけなんです。」

先輩たちの殺気立った雰囲気に圧倒されてしどろもどろに説明する。

あたしの言葉を聞いて先輩たちの顔色が変わった。

どういうこと？とか佐知子のことはやっぱり･･･？とか何か話し合っている。

金色の髪の先輩が佐知子って名前なんだ･･･。
そんなことを考えていると突然佐知子先輩があたしに近付いてきて、あたしの胸倉をいきなり掴んだ。

「孝宏に近付くんじゃないわよ。彼はあたしと付き合ってるの。あんたの出る幕なんか無いのよ。」

冷たい視線で見つめられ、背筋が寒くなる。

「･･････近付くなんて･･･、沖崎先輩の事なんて、何も知らないし、近付くなんて考えたこともありません。ただ、用件を聞いて、昨日の事を謝まりたいと思っているだけです。」


先ほどと同じ事を繰り返すことしか出来ない。


この集団の異様な雰囲気に飲まれ他に思いつく言葉が出てこないのがくやしい。