【長編】FOUR SEASONS
孝宏の放送が終わってもあたしは言葉が出なかった。

涙が溢れて止まらなかった。

麻里亜があたしを抱きしめて、「孝宏先輩やるじゃん」と言ったのが聞こえたけど、あたしの頭は真っ白で…
何も考えられないくらいに孝宏の事でいっぱいになっていた。


愛してるよ、孝宏。


あたしもあなたを心から愛している。


涙で霞む視界の向うに見慣れた長身の影が立っているのが見える。

放送室から走ってきたのだろうか。

肩で息をした孝宏が教室の入り口に立って微笑んでいた。


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