【長編】FOUR SEASONS
金色の太陽が反射し、雪一色の世界が銀色に輝く中、俺達は麻里亜が入院している病院へと足を運んでいた。

数日前から降った雪が、嘘の様にぴたりと降り止み、蒼い月が雪景色を美しく浮かび上がらせた昨夜、麻里亜は2度目の出産を迎えた。

麻里亜と結婚してセルデュ先生はユウリ・クロード・セルデュクスから光林蔵人(クロード)と名を変え帰化した。

時が流れ名前や立場が変わっても、俺とクロードの友情はあの時から変わっていない。

「孝宏、麻里亜の赤ちゃん双子だったのよ。言ったかしら?」

「ああ、そう言えばそうだったな。
まったくクロードも手が早いよな。
あっという間に3人だぜ? 
学校は大騒ぎだったじゃねぇか、あのふたりが結婚した時。」

「そうね。先生がいきなり学校を辞めて結婚を決めたのにも驚いたけど、麻里亜があんなに早く結婚するなんて思わなかったわ。」

「ははっ。あの時の優華のビックリした顔は『俺の生涯で忘れられない優華の顔ランキング』のベスト5に入るぜ。」

ニヤニヤと笑いながら優華に流し目を送ると、『もう!』とむくれて俺から視線を逸らす。


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