【長編】FOUR SEASONS
周囲を木に囲まれ、校舎の影に位置するこの場所は彼女たちの溜まり場のようだった。

ここなら何をされても、誰も助けには来れないかも知れないと、どす黒い不安が胸を過ぎる。

「それなりの覚悟があるんだろ?ここは誰もこないし、ゆっくり話が出来るわね?」

クスクスと先輩たちが顔を見合わせて笑っている。

背中を嫌な汗が伝っていく。
でも、先輩たちから麻里亜を離すことが出来ただけでも良かったと心から思った。

「先輩たちとお話するようなことは何もありません。沖崎先輩のことは余り知りませんし、関係もありません。」

あくまでも毅然として言い放つ。

そう、あたしは何もしていないし、何も悪くない。

こんな目にあう理由なんて無いんだから…。

絶対に、こんな人たちの言いなりになんかなるもんか。

強い意志を秘めた瞳で先輩たちを見据えた。


< 33 / 323 >

この作品をシェア

pagetop