【長編】FOUR SEASONS
佐知子先輩と目が合ったとき先輩があたしの言葉に反応したかのように、手にした棒のようなものをあたしにめがけて振り下ろしてきた。
とっさに避けようとしたけれど、先輩の方が早かった。
左の肩にすごい衝撃が走る。
「ぐ…っあうっ!」
声にも叫びにもならない音が衝撃で体から吐き出される。
痛みは感じなかったが体が動かなかった。
両膝を突き、うずくまる様に右手で左の肩を抑える。
先輩の顔を睨みつけようと顔を上げた途端、今度は右の頬をカバンのようなもので殴られる。
勢いで芝生の上にスライディングするように倒れこんだ。
それでも、衝撃のほうが勝っているのか痛みはほとんど感じない。
ただ、熱いだけだ。
痛みはきっと、ずっと後からついてくるんだろう。
そう、雷鳴と稲妻のように・・・。