【長編】FOUR SEASONS
頭上から先輩たちの笑い声が聞こえる。

この暴行に理由なんか初めから無かったのかもしれない。

沖崎先輩のことが本当に好きな人がこんな自分勝手な事をするだろうか。

沖崎先輩はこんなことを望むのだろうか。

いいえ、違う。あの澄んだ瞳はそんなこと微塵にも考えないと思う。

むしろそれを嫌悪し、悲しむと信じたい。

きっと、この人たちにとって相手は誰でも良く、理由も何でも良かったんだ。

これは多分ゲームのようなものなのだろう。

あたしを服従させたいだけ・・・。

ならば・・・・

絶対に死んでも服従なんてしてやらない。

こんな人たちに絶対に頭を下げたりなんかするもんか。

ふらつきながらも真っ直ぐに顔を上げる。

正面に佐知子先輩が顔をゆがめるようにしてあたしを見ていた。


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