【長編】FOUR SEASONS
綺麗な人だと思ったけれど、今は何て情けないみすぼらしい顔をしているのかと思う。

「謝りなさいよ。土下座して。かわいくないわね。泣きもしないしわめきもしない。」

取り巻きの一人がそんなことを言う。

佐知子先輩がゆっくりとポケットからタバコを取り出した。

「泣かないなら泣かせてみようじゃない？叫ばないなら叫ばせればいい。それだけよ。」

薄い笑みを引きつるように貼り付け近付いてくる佐知子先輩の金色の髪を見ながら、あたしはこれから起こるであろう事を予想して、体が硬直した。

力で振り切って逃げることも助けを呼ぶことも叶わないだろう。

あたしに出来ることは最後まで絶対に負けない意志貫くことだけ･･･。

唇を噛締め先輩たちを睨みつける。

胸元を引きちぎられ、ボタンがはじけた。細い首筋から胸のラインがくっきりと露になる。
佐和子先輩がゆっくりとあたしの首筋に右手を添えそのまま胸元に指を滑らせた。

ゾクリ･･･

冷たい悪寒のような感覚。

「白い肌ねえ。綺麗よ優華ちゃん。いいのかしらね？こんなに綺麗な肌にケロイドは嫌よねえ？早く謝ったほうがいいんじゃないかしら？」

口調は優しいけれど、言ってる事は全然優しくないじゃない。


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表紙・目次

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