【長編】FOUR SEASONS
そんなときだった、沖崎先輩の声が校舎に響き渡った。
その声が失いかけたあたしの意識を呼び戻してくれた。
二度目のタバコをあたしの顔に近づけていた佐知子先輩は青ざめた顔でタバコを取り落とした。
沖崎先輩が何を話していたのかははっきりと覚えていないけれど、先輩の声があたしを救ってくれたのは確かだった。
このときはじめて、胸から喉を突き上げてくる苦しいほどの思いが溢れ出してきた。
「せ・・・んぱ・・・ぃ・・・・・・?」
「優華を俺のところへ無事に連れて来い。今すぐにだ。」
放送がそう言って切れる頃、ようやく自分がわずかに意識を飛ばしていたことに気づく。
沖崎先輩があたしを救ってくれた。
そのことがあたしの中の沖崎先輩への気持ちを少しずつ変え始めていることに
この時あたしはまだ、気づいていなかった。
+++ 慟哭Fin +++
その声が失いかけたあたしの意識を呼び戻してくれた。
二度目のタバコをあたしの顔に近づけていた佐知子先輩は青ざめた顔でタバコを取り落とした。
沖崎先輩が何を話していたのかははっきりと覚えていないけれど、先輩の声があたしを救ってくれたのは確かだった。
このときはじめて、胸から喉を突き上げてくる苦しいほどの思いが溢れ出してきた。
「せ・・・んぱ・・・ぃ・・・・・・?」
「優華を俺のところへ無事に連れて来い。今すぐにだ。」
放送がそう言って切れる頃、ようやく自分がわずかに意識を飛ばしていたことに気づく。
沖崎先輩があたしを救ってくれた。
そのことがあたしの中の沖崎先輩への気持ちを少しずつ変え始めていることに
この時あたしはまだ、気づいていなかった。
+++ 慟哭Fin +++