【長編】FOUR SEASONS
あの日優華を保健室に運んですぐに優華と俺の担任がやってきた。

事情を聞きたいと言われ、別室に行く事を促されて一瞬言葉に詰まる。

保健室に傷ついた優華を運んだ後、ただ見守る事しか出来なかった俺は、自分の無力さを噛締めていた。

何も出来ない。

でもせめて傍についていてやりたかった。

優華の担任の山崎先生も、優華がここまで酷い怪我をしているとは思っていなかったらしく、真っ青になりながらも怪我の状況を校医に尋ねていた。

胸元の火傷を見せることは無かったが、山崎先生が怪我の説明を受けているのを、怒りとやるせなさに震えながら聞いていた。

山崎先生は大体の状況を把握すると、俺から詳しい話を聞くことは担任に任せると言って、優華の両親に連絡を取る為に保健室を足早に出て行った。

色を失った華のように眠り続ける優華。

その隣で付き添う麻里亜に、俺の担任のセルデュ先生が言葉をかけた。


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表紙・目次

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