【長編】FOUR SEASONS
セルデュ先生はハーフと言う事もあってか仕草がいちいち気障だ。

髪は見たことの無いような銀色だし、瞳の色の水晶のような紫で男の癖に女みたいに綺麗だ。

仕草もスマートでまるで西洋の御伽噺に出てくる王子様のようで、女生徒には絶大な人気がある。

今だって傷の様子を聞かれただけの麻里亜が、頬を染めてどぎまぎしている。

先生は痛ましげに優華を見つめ、よく頑張りましたねと声をかけた。

その瞬間腹の底から突き上げてくるような胸を覆う黒い感情。

理由が俺である事が余計に苛立ちを募らせる。

例え俺のファンであろうと、優華をここまで傷つけた奴らをどうしても許せなかった。

怒りで握り締めた拳が震える。

俺の気持ちを察したように、セルデュ先生が保健室を出るように促す。

優華をひとり置いて行くのは辛かったが、先に治療の済んでいた麻里亜に優華をまかせ俺はセルデュ先生に従うことにした。


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