【長編】FOUR SEASONS
Spring リフレイン
先輩から逃げるように花吹雪を抜け、親友の光林麻里亜と合流したあたしは、ふと、もう一度先輩のほうを振り返った。
その瞬間桜吹雪が一斉に視界を塞いで、先輩の姿をかき消してしまった。
その様子があまりにも美しくて、幻想的で、なんだか凄く印象に残った。
『沖崎孝宏って言うんだ…急に声をかけたりしてびっくりしただろ…』
先輩の声が何度も繰り返し耳に蘇る。
すごく優しい声だった。
麻里亜に促されて校門を出てからも、心がまだ、桜の花吹雪の中に取り残されているような気持ちだった。
あの人が昨日麻里亜が話していた沖崎先輩だったなんて
確かに噂どおりカッコイイかも…
細身のすんなり高い身長は180cmは軽く超えていただろう。
癖の無い黒髪を無造作にかき上げる仕草も、何だかとても大人っぽかった。
何よりあの瞳。
吸い込まれそうなくらい真っ直ぐで、冬の夜空を思わせる少し冷たい…でもとても澄んだ瞳。
綺麗なのにどこかやんちゃそうで…
みんなが素敵だって騒ぐのも解る気がする。
その瞬間桜吹雪が一斉に視界を塞いで、先輩の姿をかき消してしまった。
その様子があまりにも美しくて、幻想的で、なんだか凄く印象に残った。
『沖崎孝宏って言うんだ…急に声をかけたりしてびっくりしただろ…』
先輩の声が何度も繰り返し耳に蘇る。
すごく優しい声だった。
麻里亜に促されて校門を出てからも、心がまだ、桜の花吹雪の中に取り残されているような気持ちだった。
あの人が昨日麻里亜が話していた沖崎先輩だったなんて
確かに噂どおりカッコイイかも…
細身のすんなり高い身長は180cmは軽く超えていただろう。
癖の無い黒髪を無造作にかき上げる仕草も、何だかとても大人っぽかった。
何よりあの瞳。
吸い込まれそうなくらい真っ直ぐで、冬の夜空を思わせる少し冷たい…でもとても澄んだ瞳。
綺麗なのにどこかやんちゃそうで…
みんなが素敵だって騒ぐのも解る気がする。