【長編】FOUR SEASONS
「学校外で今度みたいな事があったら、俺、耐えらんねえよ。おまえを護りたいんだ」

先輩は綺麗な顔を苦しそうに歪め、眉を寄せながら懇願するように言った。

『俺・・・お前を護るから。絶対に護るから』

不意に、あの日の先輩の言葉が心に蘇る。

先輩は、あの事に凄く責任を感じている。

気にしないでと何度もいっても、それでも自分を責め続けている。

どうしたら、先輩の心を救ってあげられるんだろう。

あたしのことなんかで苦しまないで欲しいのに・・・。


切なげにあたしを見る先輩に吸い寄せられるように、あたしは無意識に右手を伸ばし先輩の頬に触れようとしていた。


――その頬にふれてみたい――


指に先輩の吐息が触れた…


頬の曲線にそって指を伸ばす…


――そのとき…

「先輩と一緒なんてむしろ危険を抱え込むようなものです。優華にはあたしが付いていますから大丈夫です。」

突然、麻里亜がそう言ってあたしを孝宏先輩から引離した。

自分のしようとしていた事にハッとして、思わず耳まで熱くなった。



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