【長編】FOUR SEASONS
「むしろ危険って、そりゃないだろ?」
「そんなことあります。絶対に二人きりに何てしませんよ。他の誰かに襲われることも心配だけど、先輩に襲われるかもしれないじゃないですか?」
麻里亜の言葉にギョッとする。
慌てて先輩をみると、目を丸くしてあたし達を見ていた。
「…っ!んなことするわけねえだろ?」
苦虫を潰したような顔をして先輩が言うと、麻里亜が『わかりませんよ。先輩優華が好きなんでしょう?』と爆弾発言をした。
先輩は一瞬固まったけど、『言ってろ!』とだけ言って、苦笑するとそれ以上の事は何も言わなかった。
「明日から迎えに行くからな。」
そう言って譲らない先輩を、あたしたちは必死に説得して、最終的に先輩は妥協してくれた。
あたしは学校から最寄り駅までの徒歩15分の距離を、毎日一緒に登下校する事を約束させられた。
先輩が心配してくれるのは嬉しかったけれど、麻里亜の爆弾宣言に否定も肯定もしなかった事が、なぜか心に引っかかっていた。
ほら、やっぱり罪悪感から責任を感じているだけじゃない。
うぬぼれちゃだめだよ、優華・・・。
何故こんなに心が痛むんだろう
何故、傷ついた気持ちになるんだろう
何故、あの時…先輩に触れたいと思ったんだろう