【長編】FOUR SEASONS
さっきから周囲の視線が俺たちに集まっているのを感じる。

ああ、もしかして端から見りゃ、俺たちってすっげ~美男美女カップルなんじゃねえ?

自分で言うのも何だけど、俺だって一応モデルなんて仕事をしていて、顔は結構整っているほうだ。

身長も180cmは軽く越えているし、姿勢も良いからかなり目立つだろう。

その俺が今、この電車の中でダントツ可愛い女の子を連れているんだから、こりゃ、見られてもしょうがないかも知れない。


でも、見せてやらねぇ。

ぜって~~ヤダ!

……なんか俺って段々性格変わってきたような気がする。

今までこんな風に独占欲丸出しにした事なんてなかったよな。
優華のこととなると見境がなくなる自分がいる。

こういうのってベタ惚れって言うんだろうか。

電車が揺れるたび、優華の髪からフワッとフローラル系の香りが鼻腔を擽る。

その髪に唇が吸い寄せられるような錯覚を覚えて、慌てて視線を彷徨わせた。


優華…気付いてないよな?


この状況…やばいなあ


早く駅についてくれよ


< 78 / 323 >

この作品をシェア

pagetop