【長編】FOUR SEASONS
見間違えるもんか。

あんな容姿をした奴を、あちこちで見かけたらそれこそおかしいってもんだ。

サングラスをしたって隠しきれるもんじゃないだろう?

あんなに目立つくせに、こんな街中で堂々と二人でいたら噂が立つのも時間の問題じゃないか?

優華が信じられないという風に俺を見つめた。

俺も見たのかと聞きたかったのだろう。

俺は黙って頷いた。


まさか……


麻里亜の付き合っているのがあの人だなんて…。

いや、単なる偶然で付き合っているわけじゃないのかもしれないし…。

社会人で…ばれたら迷惑が掛かる相手?

条件が一致しすぎてるじゃないか?

夏祭りの夜、俺たちは二人だけの秘密を共有した。

そしてそれが二人の距離をさらに縮める事になっていった。


そのときはまだ


そんな事思ってもみなかったけれど。



++ 秘密 Fin ++



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