【長編】FOUR SEASONS

｢何か麻里亜から言ってきたか？」

｢ううん全然。麻里亜ったら相変わらず何も話してくれないし、ちょっと彼の話を聞こうとすると逃げちゃうんだもの｣

優華が溜息を吐いて言った。

｢そっか…まあ、そのうちちゃんと話すだろうけどさ。俺たちに見られたの知らないんだろう？｣

｢うん…言ってないし、多分知らないと思いますよ。それよりあの人のほうこそ最近なにか変わった行動とかしてます？｣

｢いや…まったく変わった素振りは見せてないな。バレているとは思ってないだろうから、俺に対する態度も変わってないし」

｢そうですか…。麻里亜どうするつもりなんだろう」

まったく…
親友にもいえないような恋ならするんじゃねえよ麻里亜。
優華が心配してるじゃねぇか。

だいたい、あいつがあの人と付き合うなんてどうもピンと来ない。

麻里亜ってミーハ―じゃねえだろ？

ちょっとカッコイイからとか、そんな理由で禁忌を犯すような奴じゃないだろ？