The Lovable Girl
*
「やっぱり、私は仁くんの恋愛対象じゃないんだね…。」
そう言って寂しそうに笑うことりを、俺は見ることができなかった。
あの後圭と別れた俺たちは、なんとなく流れで、一緒に家路を歩いてる。
気まずさを際立てる風1つない空間は、正直居心地が悪い。
『……。』
なんで、あのタイミングで、あんなこと言ってしまったんだろう。
今さら後悔する俺。
ことりの分かりやすい作り笑いを見るのは、正直好きじゃない。