The Lovable Girl
話題が見つかったことに、安養のため息を吐く俺。
家に、帰っちゃえばいい。
家に入れば、ことりとのこの気まずさから、逃げられる。
「じゃあ、俺。
かえ…」
『待って!!!』
“帰るから”、そう言おうとした瞬間、俺より数倍大きいことりの声に、言葉を遮られる。
逃げるように家に入りかけたその腕は、ことりの手によって掴まれていた。
『……。』
今まで見たことのないことりの視線に、たじろぐ俺。
誰かから見られるのは、あまり好きじゃない。