The Lovable Girl
『…なに。』
そう言いながら、テレビを中断されたことで、若干不機嫌になる俺。
怪訝な顔をして振り向いた先には、息子が受験を合格しても笑わない母さんが、ニヤニヤと笑みを漏らしながら立っていた。
…なんなんだよ。
気持ちわる…。
「今日、ことりちゃんが家に来てたわよ♪」
『へ、へぇー。』
“ことり”という名前を聞いて、嫌でも反応する肩。
動揺がバレないように、なんとか平然な顔して、言葉を返す。