The Lovable Girl



いつもなら、『なに聞いてんだよ』と言うとこを、今日は何も言えなかった。




繰り返し頭に流れるのは、母さんの言葉。




“仁のこと、好きでしょ??”





――…なぁ。



ことりは、なんて答えたんだ…??





「“そうなんです”、だって。」


『……っ』


「“仁くんのこと、好きで好きでたまらないんです”って、ことりちゃん言ってたわよ。」




途端に、胸から何かが溢れ出したような気がした。



< 35 / 42 >

この作品をシェア

pagetop