駆け引き×スクープ3~Red Devil 赤い悪魔~
ガク、と栗塚さんの足から力が抜け、
栗塚さんは、身体を傾けた。
「栗塚さん!!」
とっさに、彼の身体を受け止める。
彼の身体からは、赤い液体が零れていた。
まさかー‥
「グワァァアアア……!」
痛みに叫ぶ声は、今岡から聞こえた。
え……?
今岡の方を向く。
今岡は、肩を押さえ、コンクリートの床にうずくまっていた。
どうなってるの?
「夏梨名ちゃん、怪我は……?」
栗塚さんが言う。
けれどその息は荒い。
「なっ……私なんかより、栗塚さんが!!」
「平気、たいしたことないから」
けれどその胸からは血が流れている。
栗塚さんは左手で右胸を押さえていた。
右手では拳銃を持っている。
「たいしたことないって……」
これがたいしたことないってか!?
どうやら、間一髪だったようだ。
栗塚さんは、私を突き飛ばした後、拳銃を構え、今岡と同時に発砲した。
今岡の弾は、栗塚の右胸に当たっていた。
だけど、栗塚さんの弾も今岡の肩に当たっていた。
すごい反射神経……!!
私は改めて彼のとっさの行動力に感服した。