駆け引き×スクープ3~Red Devil 赤い悪魔~
栗塚さんは、胸ポケットに手を入れたけど何も取り出さずまた戻して、
あ、煙草か?
「いいですよ?煙草」
「いや、さっき喫煙所で吸ってきたし、流石にここでは」
別に私以外に入院患者いないのに
「夏梨名ちゃんはあとどの位で退院?」
「んー‥しばらくは入院かなー?でも治りが早ければ自宅療法でもOKだそうです♪♪」
あと3日で退院しちゃる!!
あ、無理かも。
私神田みたいに回復力高くないから
「そっか……」
そう言うと、栗塚さんは少し私から目を逸らして俯いた。
と、思ったら
「ゴメン」
と、頭を下げてきた。
え、ちょ、な、
「な、なな何してんですか!!頭上げてくださいhead up!!please!!」
どうしたんですかいきなり!!
私が言っても栗塚さんは頭を下げたままで
「ゴメン」
と謝るばかり。
「~っもう!!理由もわからないのにいきなり謝るなんてしない!!」
そう言って、無理やり頭を上げさせた。
そしたら、栗塚さんの手がスッと伸びてきて、
短くなった私の髪にそっと触れた。
「髪も……危険な目に合わせたのも全て俺の責任だ。すまなかった。」
あ、、、
そのことを気にしてたんだ。
普段は無表情なのに本当に申し訳なさそうな目をするから
年上なのに可愛いって思っちゃった。