駆け引き×スクープ3~Red Devil 赤い悪魔~
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そんな事があったと、彼女に言う訳にはいかない
危険な目にも、
大変な目にも、
あわせたくない。
「…断固として黙秘ですか。」
「あぁ」
「なんで!!」
「それも黙秘」
煙草の煙を吐き出す。
「理由も聞いてないのに黙って引っ込めっつーんですか!!」
「引っ込め」
ーブチィッ
今なんか嫌な音がした気がする。
「この私がそんなんで大人しく引っ込むと思ってんですか!?」
ネクタイを引っ張られる。
痛いし苦しいから離してくれると嬉しいんだけどなー
「…君が危なくなるんだよ?」
「危ない目には今までもあってます!!」
自覚してるのであればもう少しおしとやかになって頂きたい。
「だから教えて……」
「迷惑だ」
「え……?」
夏梨名ちゃんの手が緩み、俺は体制を元に戻す。
「わかる?
君にあれこれ嗅ぎ回られるのは迷惑って言ってんの。ここからは警察の仕事なんだよ」
「…どうして、いきなり……」
「いきなりじゃない。一般人が警察の仕事に口を挟むな」
君を、
これ以上傷つけられない。