駆け引き×スクープ3~Red Devil 赤い悪魔~
「…これ以上警察の邪魔をするな…!!」
これ以上、
俺に心配を掛けさせないでくれ……
トン、と夏梨名ちゃんの背中が壁に着き、俺が夏梨名ちゃんを挟む。
左手を折り曲げ、夏梨名ちゃんの首筋に埋もれる俺の頭
こんな表情(カオ)、
君には見せられないー‥
「君を、護りたいんだよ……!」
小声でそう呟く。
静寂が、広がる。
そのまま、しばらくして、掠れたような声で、彼女が俺の名前を呼んだ。
「…くりづ……か、さん…?」
スッ、と彼女から離れる。
「…ごめんな……」
ポン、と彼女の頭を優しく撫でる。
「バイバイ」
君を、護るよー‥
だから、
君はもうこれ以上、
事件に関わらなくていいー‥
彼女の瞳を、一度も見ずに俺は踵を返した。