駆け引き×スクープ3~Red Devil 赤い悪魔~





「…これ以上警察の邪魔をするな…!!」




これ以上、




俺に心配を掛けさせないでくれ……




トン、と夏梨名ちゃんの背中が壁に着き、俺が夏梨名ちゃんを挟む。




左手を折り曲げ、夏梨名ちゃんの首筋に埋もれる俺の頭




こんな表情(カオ)、
君には見せられないー‥



「君を、護りたいんだよ……!」




小声でそう呟く。




静寂が、広がる。




そのまま、しばらくして、掠れたような声で、彼女が俺の名前を呼んだ。



「…くりづ……か、さん…?」




スッ、と彼女から離れる。




「…ごめんな……」




ポン、と彼女の頭を優しく撫でる。




「バイバイ」




君を、護るよー‥




だから、




君はもうこれ以上、
事件に関わらなくていいー‥




彼女の瞳を、一度も見ずに俺は踵を返した。











< 27 / 120 >

この作品をシェア

pagetop