駆け引き×スクープ3~Red Devil 赤い悪魔~
んなことあるか!
†side:壱十†
ーシャー…キュッ
自宅のシャワーを浴び、脱衣所から出た。
しばらく上半身裸だったが近くにあった黒い七分袖のTシャツを着る。
夏梨名ちゃんと別れたあと、俺は神田に夏梨名ちゃんを見張るよう指示を出した。
危ない奴が夏梨名ちゃんを狙ってるのかもしれない。
仮眠したら神田と見張り交代してやんねぇとな……
なんせ事件が起きていない。
個人で動くしかない。
神田には詳しく話していなかった。
ただ『夏梨名ちゃんが狙われている』と伝えた。
眼鏡を外し、
寝室に向かう。
ーピンポーン
チャイムが鳴る。
こんな時間に?
誰かと思いつつ、玄関の鍵とチェーンを外しドアを開けた。
「…はぃ」
「こんばんは」
そう言った彼女の方を見る。
その姿を見て、俺はしばし呆然としていた。
「…夏梨名ちゃん、何しにきたの?」
目の前には彼女がいた。その横で恐らく彼女のであろうデカいカバンを持つ神田がいた。
って……アレ?
「…アレ、神田?」
指を指す。
その方向には目がとんでもなく腫れている(おそらく)神田が立っていた。
「はぃ♪“アレ”は神田です!!」
満面の笑みの彼女
反対に青ざめて泣く神田
文字通り痛い“目”にされたな……
でもまぁ、
夏梨名ちゃんがここに来たと言うことは、神田から聞いたのか……
つぅか神田……
「…バレたのかよ……」
「すんませんっしたぁ!!」
許すワケねぇだろ
仮にも刑事なんだから尾行くらいバレんなよ……
俺は小さく溜め息をついた。