駆け引き×スクープ3~Red Devil 赤い悪魔~
その後も色々聞かれたけど適当に流した。
栗塚さん、この事は話してなかったのか……
カバンからある紙を取り出す。
「あぁ、ソイツ今岡じゃん」
「うん。コイツには気をつけようと思って」
朝、栗塚さんに現在の今岡の顔を作った紙を貰った。
それは私も見知った顔
一応、来る前にコンビニでコピーしてきたんだ。
コイツが今岡なんだよな……“金沢”じゃない。それが、コイツの本当の名前
「これ栗塚さんに返そうと思って。いるかなー?」
「一課にいるんじゃん?最近はそこまで大きい事件ないし。」
そっか、よかった。
「にしてもスゴいね!今はこんな事もできちゃうんだ!!」
本当に驚いたよ。
私の見た“金沢”にそっくりだ。
つか本人だ。
今はここまで技術が進歩してんのね~
「コレ、栗塚さんの元カノが作ったんだよ☆」
桐谷君の言葉
「…ぇ、ええっ!!」
「美人だし性格もいいしねー大人のオンナって感じ♪大分前に別れたみたいだけど」
そ、そっか。
…そうだよね、栗塚さんも男の人だし、格好いいし……
元カノくらい当たり前、か……
ーズキ、ン……
少しだけ、
胸に広がった痛み
今はまだ、
この気持ちに気づかない方がいい。
私のせいで、栗塚さんにまでストーカーに目をつけられているんだ。
モヤモヤした気持ちを抱えながら、私は桐谷君と別れて一課に足を運んだ。