駆け引き×スクープ3~Red Devil 赤い悪魔~
スーツを着た人、いかにも刑事って人が
忙しく動き回る。
大きい事件がなくったって忙しいんじゃ……
そりゃ栗塚さんもろくに食事とらないわけだ。
あ、いや、
あの人は特別か?
「あっれー?夏梨名ちゃん何して…デイィッ!!」
「その名前で呼ぶなよバ神田が…!!」
グリグリと神田の足をヒールで踏みつける。
「夏梨名ちゃん?なんでここにいんの?」
声がした方を振り向けば栗塚さんがいた。
相変わらずの無表情がご健在☆
「これ、返そうと思って」
私はその紙を渡した。
栗塚さんが受け取る。
「わざわざどーも、ストーカーの被害届は出してきた?」
「はい」
めっさ腹立ったけど!!
「わかった。多分今日も家に帰れると思うから……10時頃に鍵開けといて。」
「わかりました。栗塚さん、何か食べたいものとかあります?夕食くらいなら作っときますから」
居候してる身だしね!せめて家事くらいは!!
「んー‥何でもいいや」
何でもが一番困る。
ふと見れば神田がアホ面してた。
どうした、
元がそんななのにもっと酷くなってるぞ。
「や、やっぱり栗塚さんと夏梨名ちゃんて一緒に住んでんスか!?」
「「声がデカい」」
ほらもー、
なんかみんなこっち向いてるやんけ。
そしてその名前で呼ぶなっちゅーの!!
栗塚さんは神田に手刀を一発喰らわせて黙らせて、
首根っこ掴んで引きずりながら
「じゃーね、帰り気をつけて」
「はい……」
と、言って仕事に戻っていった。
よし、私も会社行くか。
大丈夫、
タバスコ入り痴漢撃退スプレーは持ってる。