駆け引き×スクープ3~Red Devil 赤い悪魔~
「その髪も……本当に綺麗だ……」
うっとりと、そんな表情を浮かべ、私に近づく
そして、その手が髪に触れようとした時ー‥
「触るな」
別の手が、今岡の手を掴んだ。
その手の人物は
「あぁ、王子様のおでましだ…栗塚サン♪♪」
今岡が手を払いのける。
「じゃーね♪僕はもう帰るや!!お金はいーよ。“またね”♪月詠ちゃん☆」
そう言うと、今岡は去っていった。
公園には私と栗塚さんだけが残る。
シュボ、と栗塚さんが煙草に火をつけた。
煙を吐き出すと栗塚さんが口を開いた。
「金って……何してたの」
私は今岡から犯罪計画を買った事を話した。
栗塚さんの顔がみるみる曇っていく。
きゃーー、怖い!!
「自分の立場、わかってんの……?」
今まで、聞いた事のない低く冷たい声
あ‥、栗塚さん、本気で怒ってる。
「わかって……」
「わかってない。本来なら大人しく家にいるべきだ。無闇に出歩くな。」
「それもわかってます…」
「いいや、わかってないね。わかってんなら行動で示せ。黙って守られてろ。」
栗塚さんの言い方に少し頭にきた。
何ソレ、確かに私が悪いけどそんな言い方ー‥
「大体非常識だよ君は。いくら1人だからって男の家に上がり込むな。そっちの心配はなかったの?」
それは栗塚さんだから安心してただけで……
「俺だって仮にも男だ。君は見てないだろうが、あんまり無防備だったらいくら俺でも……好きな女だったら特に……」
「え?」
今、何て言った?
栗塚さんは我に返ったのか、私に背を向けた。
でもダメ。
耳が真っ赤ですよ、栗塚さん。