駆け引き×スクープ3~Red Devil 赤い悪魔~





自然と私の顔にも熱が集まる。




「あ、あの、今……」




好き?




栗塚さんが?




私を?




嘘、考えてもなかった。



お願い栗塚さん、なんか言ってよ…!!




「とにかく、君は家で大人しくしてなさいね。今日俺、帰れないから」



「あ、ちょ……!!」




そう言って栗塚さんは私の腕を取り、家まで送っていってくれた。




なんか栗塚さんらしいというかなんというか……



その様子を、見られていたとは知らずにー……




結局、はぐらかされてしまった。




まぁ、こんな状態だし、仕方ないよね……




‥少し、期待してしまった。




まだ頬に残る熱が熱い。



考えてみる。




嫌じゃない。
栗塚さんの事、、、




はぐらかされて、残念だと思う自分がいる。




あの人の、本当の気持ちが知りたい。




普段見せないあの表情は、私にだけ?




お願い、他の人には見せないで‥




きゅぅ‥、と締め付けられる胸




この気持ちは、何?




なんて、わかってる。




いつも無表情な顔も




けだるそうな雰囲気も




私を映す灰色の瞳も




抱きしめてくれるあの腕も




ほんのり匂う煙草の匂いも




きっと、全部ー‥




クロスのペンダントを握り締める。











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