駆け引き×スクープ3~Red Devil 赤い悪魔~
んなことかよ!!
†side:壱十†
警視庁に戻り、
一課にある自分の机に座る。
気持ちを落ち着かせようと煙草を吸う。
煙を吐きだせば少し気持ちが落ち着く。
「…何やってんだ俺は」
先程の自分の言動に落胆する。
勢いとはいえ、あんな事を言ってしまうとは
いや、別にいい。
この事件が片付いたらこの気持ちにもかたを着けようと思っていたんだ。
これで夏梨名ちゃんも少しは危機感を持つだろうし……
すべてが終わったら、キチンと気持ちをまた伝えよう。
俺はそんな決心をしていた。
「‥壱十、」
聞き覚えのある女の声
振り向けば元恋人の清水麗子が立っていた。
何で清水が一課にいるんだ?
「どうした?」
「…話があるの、ちょっといい……?」
俺はなんとなく、何の話だかわかっていた。
だがはぐらかしても意味はない。
わかった、と言って警視庁を出て、外に出た。
しばらく歩けば麗子が歩みを止めた。
俺も歩みを止める。
ゆっくりと、麗子がこちらを振り向き、俺を見る。
「壱十……やっぱり、元には戻れないの?私、本当はまだ貴方の事が……」
「前にも言ったけど、もう終わった事だ。それに仮に元サヤに収まっても、同じ事の繰り返しになるだけだ。」
もう清水の事はなんとも思ってはいない。
残酷な様だが、
期待をさせない為にも、はっきりと拒絶しなければいけない。