秘密の涙.
けれどいつの間にか私までうとうと
してしまっていて。
ちょうど起きたとき、
その人が勝手にDVDを
持ち出そうとしていた瞬間だった。




えっ………ちょっとまて。
あの人カウンター通してない…よね!?
私寝ちゃってたし、田中のおじいちゃん
も向こうで熟睡中。
ほかに店員はいないし…。


…………犯罪だあ!!!

どっどうしようどうしよう…
追いかけた方がいいよね!?
……うん、追いかけなくちゃ!!


久しぶりに正義感が燃えて、
私はダッと走り出した。
後ろ姿からしてきっと若いお兄さん。
不良だったらどうしよう、
逆ギレされたら!?
と少し不安もあったけど、
そんなことは頭の隅に追いやって、
その人の腕をがしっと掴んだ。


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…………そして、今にいたるのである。


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