秘密の涙.
「あっあのー…」
さっきまで燃えていた正義感はどこへやら、
ただただ静かに流れる涙に驚いて、なぜか
罪悪感を感じ、声が小さくなってしまった。
なっ…なななななんで泣いてるの?!!?
…私のせいじゃないよ…ね??
この人がそもそも悪いわけで…
そう思いながら、躊躇いがちにその人が
手にしているDVDに視線を移した。
…お願いです。
視線で察してください。
すると、私の視線に気づいたのか
「…?これ?」
と私の目の前にブツを差し出した。
「あっすいませ…いや、はい、
それなんですけど…カウンター通して
もらわないと…」
犯罪ですよ?!とははっきりいわず
言葉を濁した。