秘密の涙.
「これはー…愛、の印」
そういって、痛々しいあざを
ゆっくりとなぞった。
「僕、が存在してるっていう証拠」
どういう意味?
この人は何をいっているの…?
………暖房のきいていない
この寒く狭い空間で、私の
体だけが熱くなっていくのを感じた。
ー…聞いてはいけないことを、
聞いてしまった気がする。
頭の奥で危険信号が鳴りやまない。
その言葉を聞いただけで、
背筋が、ぞくりとした。
「ねえ、愛の幕引きってなんだと思う?」