短編■ ピアスを外して、声で飾って
看護婦さんと相談して、自分で理想の場所にペンで印をした。
ベッドに寝かされた。
たかがピアスホールを開けるだけで、いちいち大袈裟だから余計に怖くなった。
服に血が付くかもしれないからと、幼稚園のスモッグみたいなものを着せられた。
大掛かりで、ますますドキドキした。
どんどん怖くなった。
中学の時の友人は安全ピンで開けたり、ピアッサーを買い自分で開けたりしたんだとか。
消毒をしなくて朽ちたとか、金属アレルギーでファーストピアスが合わなかったとか、
透明ピアスは実は危ないとか、そんな話は信憑性が謎だからこそ怖かった。
また保健室のポスターで、ピアスホールからの感染症の写真を見てしまったからか、やっぱり怖かった。
憧れているのに怖かった。
ヘタレだから怖かった。