シュガースパイスな君

「なんか大地に負けるのは癪だな。もういいや、頑張ろう」

「おう。それでこそお前だ」

それでこそってどれでこそ?

「ま、とりあえず帰るぞ」
「ん…?あぁうんっ!」

あたしの三歩先を歩く大地。

手…繋ぎたいなぁ……。

とは思うも言いだせないあたし。勿論行動に移すなんてもってのほか。

――ピタッ…

大地がいきなり立ち止まる。

どうしたの、と問う前に大地が言う。

「手を」

「えっ…?」
「手を繋いで帰らないか?」

思っていたことを言われ戸惑うあたしに

「いや、別に嫌ならいいけど……」
などと言い始めた。捨てられる寸前の子犬のように。シューンとか効果背負ってた。
ので、
「つなぐ。」

と小さかっただろうけど、言って手を出す。

ん。と言ってあたしの手を握る大地の手は前より大きかった。

「大地」
「んー?なんだよ唐突に」

手を繋いで改めて歩きだして少し経ってから、声をかける。

「………………。/////」
「どうしたんだよ。具合でも悪いのか?顔も真っ赤。」

「あのね…/////」
「うん?」
「んと……えと……/////」
「ん。」


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