シュガースパイスな君
「珠蕗さんですか?」
「あぁはい、琥珀に何かあったんですか…?」
「いえ、ただ、かなりの難産になりそうで…」
「えぇ、それは聞いてます。」
「それで、奥さんが呼んでますのでこちらへ」
……?
分娩室とか男が入っていいの?
ま、看護師がいいって言ってんだからいいんだろうな、うん
素直についていく。
着くとそこには、苦しむ琥珀の姿。
「〜〜〜っ〜…」
「琥珀さーん、旦那さん来ましたよー」
「…ぅ〜〜…っく…だ、大地ぃ?」
「な、なんだ?」
「ん〜〜っ…痛いーーーッ」
と言われても、おれにはどうすることも……
とりあえず、手を握ったら尋常じゃない力で握り返された。
「琥珀、頑張れ」
そんなに軽く言ったつもりはなかったんだけど、琥珀には軽く聞こえたらし
「そんなこと簡単に言うなぁーっ!!言うくらいなら代わってぇぇ!!」
「ごめん、そりゃ無理な頼みだ」
「うぅーっ大地の…」
「?」
「ぶゎぁかぁぁぁ!!」
――ガタッ…
こけました。
突然の咆哮に看護師さんびっくりしてます。
「ごめんな、でもこれは琥珀にしか出来ないことなんだよ…だから頑張ってくれ、な?おれはバカでもなんでもいいからさ」