シュガースパイスな君
考えてるうちに、すこしだけわかったことがあるの…それは…
あたしが…あたし達がもっと昔、会ったことがあって…その頃は大地のこと…考えてること…好きなものも嫌いなものも…お互いに、本人以上に相手を知っていた。だからかな…?
今、大地のこと…全部…なんにもわかんないことが、すごく、すごくつらい…。
こんなこと考えてるのは、あたし、知らないうちに大地のこと……好きになってたんだ…。こんなにも大好きになってたなんて…自分で気づけなかった…。
――――――……
【大地Side】
教室に戻るときに、後ろにいた琥珀は変わった様子はなかった。まぁ、暗い顔はしてたけど…。
教室に入って席に着くと、昔からだけど、大概の女がおれに話掛けてくる。女は怒らせると、何するかわかんねぇからとりあえず笑って軽くあしらう。
何気なく、琥珀の席を見る。
………?いねぇ…?
おれが席に着く前はまだいたはず……トイレにでも行ったのか?
とか軽く考えてた。もっと早く動くべきだったのに……。
確か1限目は自習のはず。
………少し待ってみたが、琥珀はどこにもいない。いい加減おかしい。
「おい、琥珀知らねぇ?」