シュガースパイスな君
「澪くん、何があったか、聞かないの…?」

「言いたきゃ聞くよ?」

「ん〜。澪くんの家に着いたらでいい?」

「ん。いつでもいい。言いたくなきゃ無理して言わなくていい。」
そう言って、優しく微笑む澪くん。やっぱり、澪くん…優しすぎ…友達に“彼氏?”とか聞かれる位兄妹らしくない。
なんて考えてたら、澪くんの家の前。
「琥珀入って」
「うん。」

ガチャッ

「やっぱ、澪くんちが落ち着く〜」
「そう?」

「うん!」

ここには、
“みおのへや”
と、なぜか
“こはくのへや”
がある。

「で、何があった?」

「や…何って程でもないんだけどね?」

「ん?」

「逃げてきたの…。」

「え?」

「大地、怒らせちゃって教室戻ったら大地、女子と楽しそうに話してて」

「ん。」
澪くんは昔から、どんな事でも優しく聞いてくれる。だからいつも相談事は、澪くんに相談してた。
「教室、居たくなくて逃げちゃった。」

「そか。」

「下らないでしょ。」

「そんなことないよ」
ポン、とあたしの頭に手を置く澪くん。
「琥珀にとっては、悩めることなんだろ?全然、下らなくないよ。その答えはきっと、琥珀自身が自分で気付かなきゃいけないんだろうね。」
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