シュガースパイスな君

｢…あっ…恥ずかしいっ…んんっ…｣

おれはもう一度琥珀の口を塞ぐ。
｢…ふぅ…んっ…っ……だいっ…ち…。｣

…ちっ…しゃべんなっつーのに
いい加減苦しくなったんだろう琥珀がおれの胸を叩く。これが精一杯なんだろうけど全然痛くねぇ…けど、つらそうだから、仕方なく唇を離す。

｢はあっ、はあっ、はあっ……｣

肩で息をする琥珀。

｢…はあっ……さっきまで……こんなんじゃ……なかっ…。｣

｢…おれはもともとこんな性格だけど？｣

琥珀の隣に横になりながら答える。

｢今までのは？｣

｢………琥珀に…嫌われたくなかったから…。｣

あぁー、おれ何言ってんだよ…。
｢演技だったの……？｣

｢うん。でも、琥珀のことは本気で好きだよ…。｣

｢…じゃあ、全部あたしのための演技？｣
｢…ああ…。｣

急に泣き出す琥珀。

｢な…泣くなよっ！！｣

｢うぁーん…大好きぃいぃ…｣

………！！

｢……知ってる｣

……こんなの強がりだ…。今までずっと何をするのだって自信があった。けど、琥珀の事になると、自信なんてなくなる。
琥珀は、誰から見ても人より可愛いし綺麗で、頭も良くて誰よりも優しくて見てて温かくなる。