シュガースパイスな君
それから…おれは無理矢理学校に行かされて、明るかった性格は真っ暗になった。まぁ、それはそれで女が寄ってきたんだけどさ。クールがどーとかって。
笑わないし、泣きもしない。よくまぁそんな奴に寄ってこれたもんだよ。

ずっと塞ぎ込んでたんだ。
でも、琥珀といると、菖蒲が生きてたあの頃の自分を取り戻せる気がした。
でも…琥珀を身代わりにしたわけじゃない。

菖蒲を失くしたおれは、脱け殻で、じいちゃんに“4代目としての自覚が持てないのか”って言われて挙句殴られて、雨の外を付き人なしで歩いてたら、ヤンキーにボコられた。5人居たけど倒そうと思えば倒せた。けど…もうどうでもよかった。
意識が朦朧としてきたとき、ヤンキーの動きが止まった。見たら琥珀が居たんだ。

“――やめなさい。その人が何をしたと言うのです?”

物怖じせずにヤンキーに向かって言う琥珀におれは正直…止めなくていいのに、って…もう死にたいのに、って思った。

“相手ならばこの私が致しましょう。さぁ、来るなら来なさい”

拳法やってる人だとは思わなかったから、馬鹿だ死にてぇのか、って思ったのに、10秒しないうちにあいつら地に朽ち果ててた…。
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