シュガースパイスな君

「ほんとに何も聞いてないの?」

おもむろに頷く。
歩きながら話そ、と言って歩きだす珠蕗大地。

「俺たち結婚すんの。あ、ちなみに、俺らタメね。」

俺たち……結婚……タメ……

タメってことはこの人は16歳。まだ結婚できない年……だよね?

あたしの考えを察したらしい。口を開く珠蕗大地。

「俺の家、珠蕗財閥。琥珀ん家月代財閥。法律無視なんて当たり前な。ちゃんと役所にも婚姻届出したし。」

「そっか。なんで、あたしなの?なんであなたなの?」

まだあたし結婚すんのには早くない?

「俺が選んだから。琥珀は他の女とは違う気がした。だから選んだ。」

「拒否権は…」

「ねぇよ。んなもん。」

「………あたしのことどう思ってんの?」

「……大好きだよ?」

最後の“?”はなんだ?

とか思ってたら、あたしたちはもう、新居と言うよりお城のほうがあってる、豪邸の前にいた。

「ここ?」

「ん」
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