シュガースパイスな君
「…琥珀…。辛いなら、無理に話さなくていい。」
「ううん、いいの。大地には聞いてほしい。」
…琥珀…。
「わかった。」
―――パパとママは
外交帰りに
お兄さん達の
手先が運転する車に
衝突されたの…。
どっちも、即死だった。
それから、
あたしはその
お兄さん夫婦に
育てられた。
お兄さん達はあたしが
何も知らないと
思ってたんだろうね。
パパとママは
自殺したんだよ。
頭主が嫌で
自殺したんだよ。
そう
言い聞かせられてた。
けど、
昔から月代に仕えてた
翁(おきな)
に、真実を
教えてもらってた
あたしは
ずっとあの人達を
恨んでた。
両親を殺した人達を
親だと思え
とか
無理でしょ。
「そーゆーわけ。」
泣きそうな顔をする琥珀。
おれは思わず抱き締めてた。
「…え…。」
「泣けよ。泣きたいなら、我慢すんなよ。」
「大地……。」
「いいから。」
「…っ…っく…っ…ぅぅ…。」
泣き出した琥珀を優しく、強く抱き締める。
それに応えるように、琥珀もおれの背中に手を回す。
ふと、琥珀の腕から力が抜ける。
琥珀を見ると
「すー、すー…」
気持ちよさそうに寝てた。