シュガースパイスな君
琥珀……。
すげぇ可愛いし、大好きなんだけどな。このままじゃ、おれの理性がやばい。
んだけど……。起こすわけにもいかないからゆっくり、そっと琥珀が起きないように、琥珀から離れようとしたとき。

―――ギュウッ…

琥珀がおれのシャツを掴んできた。
「琥珀…?」
「ぅん……。」
「琥珀…。」
「…大地……。」
「ん?」
「………す…き…。」

こいつ、ホントに寝てんのか…?こんなの生殺しだ……。

「…だぁいすきぃ…。」

おれの胸で微笑みながら言う琥珀を見て

―――ブチッ…

気付けば、琥珀の唇におれの唇を押しあてていた。
苦しくなったのか琥珀が弱々しく抵抗する。
結構苦しそうだったから、離す。

「はぁっはぁっ、大地…?」
「今のはお前が悪い。」
言うと
「ふぇ…?」
寝ぼけてたのか?
「いきなりあんな事言われて男が我慢できるわけがない。」
「?」
「とりあえず、寝るならベッドに…」
「すぴー」
ってもう寝てるし…。
「ちっ。仕方ねぇ。」
琥珀を抱え、ベッドに向かう。
「はあ〜〜〜」
深いため息を吐く。
気苦労が多すぎる。好きな女が隣にいて(しかも無防備)我慢しろだと…?
その夜、おれが眠りに就くことはなかった…。
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