シュガースパイスな君
ギイィィイィ……
前の門を開く。
「おいで?」
優しい声で、あたしを呼ぶ大地。何故か素直に従うあたし。
「あたし。あんたの妻になるの?」
思わず口に出る言葉。
「うん。てか、もうなってるけど///」
ちょっと紅くなる大地。それをみて胸の奥がしめつけられるあたし。
―――キューーン……
……あれ?
何?あたし。なんでこんな気持ちを会って30分の人に持ってんの…?会って30分とは思えないこの懐かしいような感じはなんなんだろう。
「…く、……はく、琥珀?」
大地が話している間、あたしはぼーっとしていたらしい。
「え…、ごめん。ぼーっとしてた…ごめんね。で、なんだっけ…?」
「体調悪い…?」
今にも泣きそうな、ホントに心配した顔で聞く大地。そんな顔を見ていると、また、キュンてなる。
「大丈夫だよ、ちょっとぼーっとしてただけだよ。」
「なら、いいんだけど……無理、すんなよ?」
「…ありがとう…。」
それから、屋敷の案内をする大地。
そして気付いたこと、
メイドや執事などがいないこと
無駄に広いこと
寝室は1つしかないということ
「大地…ベッド一緒なの?」
「ん」
「「……………。」」
なんか。沈黙。破ったのは、大地。
「……イヤ?」
「……イヤっていうか、大地のこと何も知らないのに、一緒に寝るとか……――」
「俺のこと?誕生日とか?」
「う〜ん、まあ…?」
「誕生日は11月24日生まれの射手座、血液型はA型、好きな食物は、ハンバーグ、嫌いな食物は苦いもの、身長は183㎝、体重は内緒。好きなひとは琥珀ね?///」
体重は内緒って……女かよ…!!てか今サラっと告白された?
「これでいい?」
「え…、うん……?」
思わず頷くあたしを見て、ニンマリと笑う大地。
「じゃあ行こっか。」
え…、どこに?
「…………。」
「そんな、睨むなよ。いきなり襲ったりゃしねぇからよ。」
「んなっ///」
あたしの顔が真っ赤に染まる。それをみて笑ってる大地。
「襲ってほしいのか?」
ぶんぶんと首をふる。
そ、そんなわけなぁ〜〜いっ!!///