シュガースパイスな君
あたしは日を重ねる度に
ネガティブ思考になっていって
学校にも行かなくなって、家から一歩も出なかった。
時々、ていうよりほぼ毎朝、恵梨香とか隆雅が迎えに来てくれたけど、3回に1回くらいしか玄関まで行かなかった。
それでも2人は時々、開く扉に満面の笑みを見せてくれた。
放課後は、家に来て、上がってもらって少し喋ってそれで帰っていく。
来てくれるのは嬉しい。
けど、恐かった。
どこかへ行くのが。
だって、家から出たときに、誰もあたしのこと知らなかったら…………。
そんな風に思ってたから。
その日、恵梨香と隆雅が来て
あたしが知らない間に
大地の傷はもう治ってることを教えられた。
「若いと治るのが早い。」
恵梨香によると医師はそう言ったらしい。そして
「傷が治ったし、世間に関する記憶はあるようだから、退院できるけど…琥珀さんには少し酷だよね……。」
とも言ったらしい。
だから、
あたしと大地で生活の場をどうするのか、
それを2人で相談して決めてほしいと言うことだった。
あたしは大地が決めればいいと思った。けど、恵梨香は