シュガースパイスな君
『おうっ!学校には…行かねぇのか…?』
「……うん。」
『そか…。じゃあ放課後な…!』
「ごめんね。ばいばい。」
『じゃあな!』



翌朝、2人は来なかった。
そして
放課後、隆雅が恵梨香と一緒に来た。

――ガラガラっ…

「おう大地!」
「んだよ。隆雅。今日もきたのかよ。四条もか…。」
「おい、土産は無視か。」
「あ?土産?あぁその偏平娘か。どこが土産だ?」
「……。」
「琥珀…。大丈夫だよ。きっと思い出すよ。」
恵梨香が目頭を熱くするあたしを励ましてくれる。

「あっ!!!」
いきなり大声をあげる隆雅。
「んだよ。うっせーな。」
「琥珀!ケーキ!食べたい!」
え…?そっち…?
渡さなきゃ!とかじゃないの?

「はい。」
とりあえず渡す。
フォーク付きで。

2つのうちの1つを渡す。

しかし、隆雅は自分は食べずに大地に渡す。

「なんだよ。」
「食え。絶品だ。」
「いんね。これチョコレートだろ。そもそも誰がこんなもん――」
隆雅が大地が暴言を吐こうとするのを遮る。

「――これは食えるはずだ。」
隆雅の必死の形相に大地は
「チッ…少しだけだからな?」

そういって一口だけ口に運ぶ。

「………っ…。」

……?
< 61 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop