シュガースパイスな君
こいつ
「喧嘩売ってんのか?」

「んじゃまったねーん。」
手をひらひらさせて四条を連れて出ていく隆雅。

「チッ…」

「………………。」
さっきからビクビクしたりおどおどしてなにか話そうとして、口をつぐむ女。

「おい、おれに何か用か?」

「ぁ……ゃ…ごめん…なさい………。」
いきなり謝る女。

「何が?」
「…………。ごめんなさい…。」
黙って俯いて、また謝る女。

―――ズキッ…

その瞬間、頭と…胸が痛くなった…。

おれは、無意識に痛みに顔をしかめていたらしい。

「…ぁ…の…大…丈夫………ですか………?」
「大丈夫だ…。」
「そう……ですか…。………すみません……。」
「おい。」
「…な…何ですか……?」

こいつはおれに怯えている。
こいつは…こいつにとっては……おれは…恐怖の対象になってるようだ……。

「……敬語じゃ…なくて……いい…。」
「…は…はい…。」
「おれの話聞いてた?敬語じゃなくていい、っつったろ。」
「は、あ…ぅん…ごめん…。」

どんだけ躊躇うんだよ。

「それと…そんなに怯えんな。」

ただ頷くだけの女。

「お前は…なんで最近来なかったんだ?」
「……ちょっと…ね…。」

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