シュガースパイスな君
「何も聞いてないの?」

おもむろに頷く琥珀。

「歩きながら話そ」

「俺たち結婚すんの。あ、ちなみに、俺らタメね。」

とりあえず言ってみる。で驚く琥珀。
まあ、タメっつったら普通おれは結婚はできない年だから、それについて理解できてないらしい。こいつん家マジで財閥か…?

「俺の家、珠蕗財閥。琥珀ん家月代財閥。法律無視なんて当たり前な。ちゃんと役所にも婚姻届出したし。」

「そっか。なんで、あたしなの?なんであなたなの?」

流石に飲み込みは早いな。
「俺が選んだから。琥珀は他の女とは違う気がした。だから選んだ。」

あからさまにいやな顔して
「拒否権は…」
とか言う琥珀。だからムカついて言ってしまった。

「ねぇよ。んなもん。」

女にこんな顔されたの初めてだ。いつもおれと話す女は真っ赤な顔してたからね。

「………あたしのことどう思ってんの?」

「……大好きだよ?」
いや、これはマジ。婚約者名簿の中で1番可愛かった。と思う。中身も良いらしい。(個人的には)まあ、簡単に言ったら一目惚れ。

< 9 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop