シュガースパイスな君
自分の記憶だけなくなってる事を再確認してしまったあたしは、堪えきれなくて泣いてしまった。
「おれは記憶喪失だったのか?」
「……。」
あたしは黙って頷く。
それを見た大地は優しい声で
「ごめんな。苦労かけたな。ありがとう。大丈夫だから…もう…泣かないで。」
「もう…全部思い出したから…記憶失う前のことも失った後どうしていたのかも…全て…」
……!
「……ほんとに…?」
「あぁ…本当だ。」
「……っ…」
止まりかけた涙は一粒、また一粒と零れ落ちる。
「ごめんな。本当にごめんな。今まで…おれ馬鹿でごめんな。」
その言葉に首を横に振る。
「ありがとう。おれ…こんなだからいつまで続くか解らないけど…一緒に居てくれるか…?」
その言葉に笑顔で返事をする。
「…っ…うんっ…」
そして誓った。
いつまでも一緒に居ると……。
それは…
2人を死が別つまで――。
《不安と喜びの条件完結》